大阪駅前で堂々たる威容を誇る「ヒルトン大阪」

いっとき定宿にしてました。泊るのはVIPルーム。
だいぶ昔の話で記憶が曖昧なんだが、
たしか20階くらいのラウンジでお茶飲みながらチェックインできた。
料金は割引があって1泊2万円～2万5千円ほどだった気がする。
ラウンジで芸能人やスポーツ選手をよく見かけた。

さて大阪に出張に行ったオッサンです。
出張目的は韓国の得意先が大阪に来ることになり、
大阪で打ち合せをするため。

この韓国の会社はパチンコ台から外した
5.6インチ中古液晶パネルを使ってカーナビを作る会社でした。
北米向け輸出が絶好調でパネルが足りない状況だった。
ウチもなるべく割り当てを増やして送ってるんだが、
注文に生産が追い付かない。

パネル不足の現状を「改善しよう」と彼らは考えた。
彼らが思い立った「計画」がこれだ。

独自のパネル集荷ルートを作ってしまおう・・だ・・・
彼らのネットワークで液晶パネルを集めて、オッサンの会社に送る。
検品とパッキングをオッサンがやって韓国へ送る。
だから・・・大阪まで打ち合わせに来て欲しいと要請された。

なぜそんな計画が出来たかと言うと・・・
この会社の専務の親戚が大阪在住で、
「パチンコ屋」のオーナーと知り合いらしい。
知ってるオーナーは沢山いるから、
売ってくれと頼めば「すぐ集まるだろう」・・そんなプランだった。
※ご承知の通り日本のパチンコ経営の8割が在日韓国・朝鮮人。
※この在日ルートをたどればパチンコ屋へ行きつく。
※パチンコ屋のオーナーが売ってくれるかはわかりませんが。
※儲け話と思われると、誰でも「知り合いです」と言うヤツが多すぎる。

この計画を聞いたオッサンの正直な感想は
「面倒くさいな」です。
大した儲けにならんし、集めると言ってる「親戚」も素性が解らん。
液晶の種類、良品の見分け方、パネルの外し方、
全部オッサンが「イチから」教えんといかん。
さらに金持ってる奴ならいいが、仕入れ資金の「先金」くれと言うかも知らん。

ただ・・・・もし「この親戚さん」が
使えるルートを持っていればウチもメリットがでる。
パチンコ台、スロットマシンは中古半導体が取れるし銅や基板も悪くない。
オッサンも「下心」は当然持ってるから大阪まで出向くわけです。

関空に到着した取引先にヒルトンへ来てもらい、打合せした。
親戚と会うのは明日、これから連絡して時間を決める。
これまで会ったことはない、どんな人で、どんな職業かも知らない。
専務の母親のいとこの孫だか・・なんだか・・・そんな親戚らしい。

会う場所はヒルトンのVIPラウンジに決まった。時間は午前11時。

翌日韓国の社長と専務、そしてオッサンはVIPラウンジで待機。

11時を少し過ぎて親戚は2人でやって来た。

派手な柄物のシャツにクロコダイルのポーチ、テカテカの革靴
パンチパーマが一人、坊主が一人、目つきの悪さは半端ない。

完全なチンピラじゃん。

末端の暴力団員。

ラウンジの空気が一変する、馴染みのコンシェルジェの顔色が変わる。

すかさずオッサンは「俺の部屋で話そう」と部屋へ連れて行った。

韓国の専務が計画を説明する・・・2人・・理解してるかどうか・・・・
末端はしゃがれた大声で「集めるのは簡単だ」と繰り返す。
集める金をどうするか？　儲けはどうなるか？
話題はそこに集中。

どこそこのパチンコ屋の社長に会えるから計画を進めるとか・・・・
どこそこの機械屋（パチンコ台据え付け撤去する会社）を知ってるとか・・
そんな話は全然ない。

打合せの後、昼飯を食う約束になってた。
オッサンは最初から「昼飯」は断ってた。断っといてよかったわ～

1時間ほどオッサンの部屋で話した後、
社長・専務・末端2人をエレベーターまで送って「さようなら」

ラウンジに行ってコンシェルジュに詫びを入れる。
簡単に事情を話す
「こういうことは2度と勘弁願いたいと」
低調な口調ながら怒りを含ませて言われちゃったわい。

その後・・・・韓国の会社は倒産しました。
末端はパネル供給できなかったそうです。

その後もカーナビブームは続いたのですが、
中古液晶価格が高騰し利益を圧迫。
アメリカの顧客から5.6インチから7インチへ
パネルのサイズアップを要求され、開発資金が増加
中国メーカーの台頭で価格競争が激化
中国の安い人件費に勝てるはずもなく
倒産へと追い込まれたんです。

まあ・・オッサンはエレベーター降りてきた連中見た瞬間、
「こりゃダメだ」とわかってたが・・・・

オッサンはヒルトンを出入り禁止になったかもしれない。
予約しても満室が続いた。
その後は「しょうが無い」のと、
オッサンの金もなくなったから社員寮に泊ることにした。