「続編」正義は負ける、クズ屋は勝つ!
さて、陳Gさんは輸出申請を取り下げることになりました。
この情報はZ社を通じてK社へ速報でもたらされました。
K社のスクラップ「払い下げ」担当者は一安心ですが・・・
まだ情報の段階です。ブツの回収はこれからです。
手元に戻ってきて確認するまで安心できません。
当然、K社のプンプンはまだまだ収まりませんよねえ・・・
工場長を告訴しろとZ社長に詰め寄ってるようです。
Z社からのコメントも聞こえてきます。
「こんな経験はウチの長い歴史で初めてだ」・・
「工場長に不正行為をやられて大迷惑だ」
なんて言ってるみたい・・・・
オッサンの心中は・・・
何? 創業以来初めてってか? ウソこくんじゃない!
いったい今何代目よ? 5代目? あっそう!!
ハッキリ言っとく、あんたんちの何代前か知らんけどなあ・・・
クズ屋を始めたご先祖様なんてねえ・・・
相当アクドイことやってるはずだから、
絶対にヤクザもんだったはずだから。
現社長が慶応?、先代が学習院?
そこを優秀な成績でご卒業あそばれたかどうか知らんけどなあ・・・
創業された初代は絶対に堅気じゃないから。
切った張ったの世界で生き残ったヤツなんだよ!!
今の超一流企業なんて
創業のころなんて、居座り・乗っ取り・脅しでデカくなったんだから。
えっ? シツコイ?
そうですか、本題に戻りますわよ!
輸出申請取り下げた「薄型テレビ屑」をどこに戻すか?
これがモメました。
もちろんすべての窓口は「不肖オッサン」が仕切ってます。
Z社は「そのままZ社の本社に持って来い」と言います。
持ってこなかったら陳Gを訴えるとか、
いろんな手を使って商売できないようにしたやるとか・・・
生意気なこと言ってるらしい。
まあZ社長の心境は分かりますけどね、
保税倉庫に置いてあったままの状態で受け取りたいんです。
どっかに降ろして、一部が行方不明になったりを恐れてるんです。
でもねえZ社長さん、それは無理よ、シッパーさんの勝手だから。
所有者は陳Gですからね。
そうしたいなら工場長を神奈川県警に告発してからどうぞ。
オッサンも陳Gもそんな脅しは心配してませんから。
ただ、素直に返せない「別の理由」もあったんです。
陳Gは「そうされると困る」んです。
理由は簡単です。
その保税倉庫の輸出用40Ftコンテナの
入り口から2/3はプラズマテレビを詰めてありますが、
億の1/3は高価な半導体部品を隠してあるんです。
からくりは
陳Gの輸出申請は全量「電子スクラップ(E・PARTS)」になってます。
このテレビガラスの裏には、わずかな基板・電極が付いています。
これなら立派な「E・PARTS」と胸張って言えます。
それを香港でバラシて回収するという理論武装です。
しかも仕入れ価格は激安ですから、税金も微々たるものです。
つまりテレビ屑を隠れ蓑にして、高価な半導体を「密輸出」するわけです。
輸出書類に記載された価格は「激安」ですが、
実際は「そこそこ高価な部品」が隠されてるわけです。
輸出検査時の現物確認でコンテナ開けられても
表から見えるのはグチャグチャのテレビ屑です。
奥まで確認することはまずありません。
もしこのコンテナを直接Z社に入れたら
奥に「半導体部品」を隠してることがバレちゃいます。
これは絶対阻止しないとマズイわけです。
Z社やK社に「こんなの隠してた」なんてチクられたらヤバイんです。
もちろんオッサンも陳Gを守ります。
陳Gは彼らの「最重要仕入先」であるオッサンの
「返してやれよ」
その一言で返すことに「すぐ同意した」んですが、
コンテナはまず「陳G」へ戻してもらって、
テレビ屑だけトラックに積み替えて送り返す。
当然そう言います。
Z社は「また抜かれるかも」とこの案に同意しません。
どうしても自分たちの目で確認して、返却したいんですね。
すでに解決金で500万支払い済みだから、
保税倉庫から直接Z社へコンテナを走らせろ・・と
オッサンに「結構強気の要請」をしてきます。
オッサンは妥協案を出しました。
①コンテナはオッサンとこに入れる
②Z社長はウチに来て、入庫に立ち会いコンテナの解錠をする。
③Z社長の目の前で荷下ろし作業をウチの現場作業員がやる
④プラズマテレビを全量出した後「奥の荷物」をZ社長に見せる
⑤奥の荷物は「テレビ屑」と関係ないブツとZ社長に了解させる。
⑥Z社のトラックにテレビ屑を積み込んで返却する。
⑦K社の立ち合いはOKだがコンテナに乗ることは禁止
⑧奥の荷物については「Z社と関係ないから」口を出さない。
⑨シッパーの詳細については一切情報開示しない。
結局この案で妥結しました。ほぼ半日作業で終わりそうす。
さて「テレビ屑」の返却当日です。
Z社から6名、K社から4名参加して朝8時から待機です。
ウチの女性社員が「中でお茶でも」と言うも、
「要りません!」とぴしゃり!!
かなりの緊張感です、彼らがどんなに必死か解りました。
コンテナを積んだトレーラーが到着、
Z社長は自前のワイヤーカッターを持参してます。
※貸してあげるのに・・・何から何までウチを信用してません。
オッサンの一言
「どうぞ、ワイヤー錠切ってください」
パチンとワイヤー切ってコンテナオープン。
高さ1.5m、幅1m、奥行き1mでラップされたテレビ屑が現れます。
ウチのフォークリフトで12パレット分を降ろしました。
K社の方々が書類と付け合わせながらチェックです。
それを不安そうに見つめるZ社長さんと社員さん。
そのころ・・・オッサンの怒りは頂点でした。
この10人、誰一人「お世話になります」の一言もなく、
「オメエんとこも怪しい」なんて雰囲気で腕組んでふんぞり返って、
ウチの荷下ろし作業が済んだ瞬間、
俺らに「このブツに一切触らないでくれ」と言いやがった。
オッサンはZ社長に声かけた。 ※30半ばの若造よ!!
「おう、Z社長、ウチも忙しいからサッサとコンテナ確認しろ!」
Z社長コンテナに乗って奥まで来ました。
「よく見ろ、これはテレビ屑と関係ないブツだろ、わかるだろ!」
Z社長
「OK、わかった、これは関係ないと認定する」
オ
「そんじゃあKの連中へ伝えろ!」
「テレビ屑はこれが全てです! ってな」
「それから、オメエんとこの社員は「おはよう」も言えねえのか?」
「ちっとは教育しとけよ!」
「最後に、今回の件は蒸し返すなよ、こっちもネタは有るからな」
少し説教しときました。※脅しではありません、脅しはZ社の得意技です。
なんでも・・・バックに広域〇〇団がいるとかいないとか・・・
Z社の10tトラックにテレビ屑を積み込んで作業終了!
Z社もK社もお帰りになりました。
連中に俺何かしたかな?
あんなに無礼に扱われる覚えは無いんだけど・・・・
まあ実作業は半日でオッサンの仲介作業も2時間だから
500万の利益は悪くないけどね。
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