ペカチカほいほいのブログ

ギャンブル歴50年、浮き沈み人生で出会った楽しい出来事の数々。

国税局とお姉ちゃん。

海外出張に行く。もちろん目的はカジノだが、仕事も多少する。


当時、中国と香港に8社ほど得意先があった。
その8社は同業者で、ライバル同士でもあり、時に共同で仕事もする。
彼らは「条件合えば」手を握るし、「客を取り合って」ケンカもする。
いがみ合いながらも、オッサンが来ればみんな集まって盛大な酒宴となる。


オッサンがシンセンに到着した日が合同歓迎会となる。
取引先の社長、専務クラス、運転手など1社あたり4人ほど来る。


総勢30人以上で会食は始まり・・・いつの間にか50人ほどに増えてる。
関係ないヤツも紛れ込んでたかもしれない。
25年前のシンセン、広州、東莞の混沌さは最高だった。



オッサンは中国で食べる中華料理がキライだ。
美味いのも少しあるが、ほとんど口に合わない。
超高級料理が運ばれてくるが手を付けない。


彼らにはこう言って納得してもらう。
「俺は酒飲みだすと料理を食べないんだ」
「帰る前にチャーハンか焼きそばか揚げパンが少しあれば良い」


当然2件目に「カラオケ」となる。
エライさんだけ残って15人ほどで50坪ほどのルームへ行く。
そこに「きれいなお姉さん」が50人待機してる。


酒も女も飲み放題、選び放題・・・困った話だ。
「好みのタイプを5人でも、10人でも、なんなら全員でも選べ」
「明日の朝まで好きにしてくれ」「もう金は払ってある」


もうええっちゅうの。
オッサンはまっぴらゴメンだ。好きでもない女とヤル気はない。
ただぐっすり眠って、明日さっさと仕事を片付けてマカオに行きたい。
それだけが望みだ。


しかし・・・そう簡単に事態は収まらない。
カラオケが「お開き」となって、連中がホテルの部屋まで付いてくる。
社長連中8人と、お姉ちゃん15人。
彼らの誰かがオッサンのために用意した
体育館みたいなスイートルームになだれ込む。


こうなると無下に断るのも「野暮」となる。
社長連中も今日はこのホテルに泊まる予定で、
皆さんすでにお目当てさんが決まってる。
各社長さんが、やっとこさ「それぞれのお姉ちゃん」と部屋に戻っていった。
オッサンの部屋に5人も残る。


どうしますか? オッサンは・・・いつもこうします。


まず全員に1000元(当時のレート17000円)渡す。
当時のサラリーマン月給が7000円だから「もう大喜び」だ。
しかも脱がずに済むから「超ラッキー」だ。
「はいはい。ピョリャン シャオツエ ツアイチエン」ばいば~い。



しかし・・・・ことはそう簡単に終わらない。
筆談開始となる。
「ワタシ モウ オカネ モラッタ カエルト オコラレル」
「ミンナ オナジ」 「ソトニ コブンガ ミハッテル」
「イマ カエルト コロサレル」


なんでも・・・1Fエレベーター前で子分が見張ってるらしい。


ベッドルームが3部屋あるスイートルームの2部屋とリビングルームで
お姉ちゃんたちに「いいか、明け方4時までに絶対帰れよ」


そう言ってオッサンは爆睡する。 これがホントの話。


翌日はシンセンの電気街で電子部品の流通具合を見る。
当時は日本の廃電子機器から取り外した半導体が
「ビックリする値段」で売買されていた。
4MBのDRAMが1個400円。SIMなら1本3200円。
EP-ROMの28PIN 64MBが1個500円。


良い時代だった・・・・


中国得意先4社をすべて訪問して、
日本の最新スクラップ情報とウチからの来月出荷数量見通しを話す。
各社多く欲しいから、商談が長引く。


シンセンで1社、東莞で1社、広州で2社回って、広州泊。


昨日と同じパターンで宴会が始まる。
昼いなかった香港社長4人もまた揃ってる。簡単には寝かせてくれない。


翌日・・・車でシンセンまで行き香港にはいる。
シンセンから電車で3駅目で降りる。
香港最大のスクラップ集積地だ。
日・欧・米からコンテナで大量に電子、もろもろ来る・・・すごい量だった。


取引先各社「得意品目」が違う、
それぞれの得意なアイテムの「来月供給見込み量」を伝え、
当面の現地価格見通しなど確認して・・・また九龍で宴会。


香港人がありがたいのは「お姉ちゃん」を用意しないとこだわ。


軽く飲んで、点心食べて、お開き・・・ではない。


ホテルに帰ると台湾から飛んできたマカオカジノのVIPが待っている。
香港社長も2人合流。ヘリコプターでマカオへ。2泊する。


散々ヤラレて、マカオから台北へ飛び、高雄、台南回って帰国となる。


それを2か月に1回、行かない月は向こうが来る。


連中は倉庫に来るとそこら中嗅ぎまわる。
当時中国で超希少な日本の電子スクラップを買い付ける。
得意じゃないのも「くれくれ」とやかましい。


結局約束した商品以外も持ってく。全て現金払い。
来月分だと「3000万」置いてく奴もいる。


そんな時代もあった。


そんな時代を謳歌していたオッサンは・・・


ある日自宅と、本社と、支店を国税局にに急襲された。


「査察」・・・素直に払えば「査察」で済むよって・・・感じ。
抵抗すれば「社長さん・・・少し悪質ですとね・・強制査察も・・」


連中ね・・・多分警察より操作能力高い。凄いわ・・・あの執念と能力は。


ゴミ箱のオッサンが「痰」かんだティッシュまで開いてみてるし。
数字の記入されたゴミはすべて持って帰る。


結局・・・いろいろ出てきて・・・そして・・・
いろいろ有って・・・1億2000万の追徴と言いやがった。


抵抗はしなかったけど
「ちょっと待って、探せばその分の領収書が出てくると思うわ」とか
「取引先に再発行してもらうわ」とか
「少し思い出す時間下さい」とか・・粘った。3か月以上粘った。


実際何点か領収書も出てきて、まだまだ出てきそうだったから粘ってた。


「社長、国税局から電話です」
「はい、はい、明日朝9時に行けばいいんですね」 呼び出しです。


「社長さん、1億2000万です。これで観念しましょう」
「無理だって、そんな金ないの、あんたらも分かってるでしょうよ」
「幾らならいいんですか?」


「6000万なら銀行から借りて払う」


「じゃあ6000万で良いです」


「??????」


なんと・・・朝9時の1億2000万が・・・・
9時40分に半値になった。 40分で50%ディスカウントである。


ラッキーと「即OK」して6000万で手打ちしたんだが・・・・


「もしかすると連中・・・3000万取れればいいと思ってたかも知んない」


このバクチ・・・もしかするとオッサンの負けかも知んないわ。 


今思うとね・・・・


追伸・・・・


知り合いが国税局相手に粘ってました。


ある日何回目かの査察で来た査察官が、
受付のお嬢さんに写真を見せて聞いたとさ。


「この写真の女性は奥さんですか?」


受付の女性言いました。
「違います」


その写真は・・・
知り合いの社長と彼女が韓国のカジノで「腕組んでる写真」だったって。


その写真を見せられた受付のお嬢さんは・・・


「実の娘」だったの。


当然・・・アウト!