ペカチカほいほいのブログ

ギャンブル歴50年、浮き沈み人生で出会った楽しい出来事の数々。

クズ屋が「噂で聞いた」オモロイ人たち。

埼玉県、中山道の宿場町に8代続く漬物屋がある。

そこの若旦那が行方不明になって・・・20年・・・
オッサンは若旦那の顔も知らないが、親友の「Tさん」は良く知ってた。




オッサンは毎年1月にCESへ行ってた。
CES=世界最大の家電見本市、ラスベガスで開催される。



行く目的は
ウチで出荷した電子部品を使用した製品のチェック、
これから流行しそうな新製品、新技術の発見、新しい販売先の開拓
これから必要とされる電子部品の情報収集。
そんなとこだが・・・・主目的はカジノに決まってる。




ラスベガスはカジノべったりにならなくて済むのがいいわ。
マカオやWALKER HLLだと「カジノ漬け」でナンボ負けるかわからん。
その点、ラスベガスは華やかでショー見たり、あれ見たりと楽しすぎる。




ウチが出荷してた電子部品は
「パチンコ台から外した液晶パネル」
「パチンコ台の音声ロム、デジタルアンプ」
「パソコンの各種メモリ」
「新品のSRAM、TTL、OPAMPなど多種多様だった」



これらは台湾・中国・韓国の部品屋を通して現地の零細メーカーへ卸される。
そこで「カーナビ」「ポータブルTV」「ゲーム機」などが作られ

アメリカの販売企業にOEM供給される。


アメリカ企業は「自社開発品」と称してCESに出展する。
ブースをカッコよくレイアウトして、
カスタムカーに搭載したり・・・派手に展示する。



首尾よく大手チェーンストアのバイヤーの目に留まり
製品が採用されたら大成功だ。
夢を掴もうとする連中の熱気にオッサンも刺激される。



彼らの作る製品の取柄は安いこと。ただ・・それだけ!
なんてたって使ってるのは中古部品よ、価格は安い!
安いけど中身は「天下無敵の日本製」で品質は最高。



アメリカ人はブランドにこだわらない。
安くて性能が良ければ買ってくれる。チャンスは無限と感じさせる国だわ。



CESに韓国・中国の弱小メーカーはなけなしの技術者を送り込む。
OEM先の販促を手伝うためであり、マーケットを確認するためだ。



オッサンも同じだ。電子部品なんていつ陳腐化するか・・・・
画期的な製品が開発されたら在庫がゴミと化す。
古い中古部品の在庫を山ほど抱えるオッサンにも
大切な情報収集の場だった。




このCES出張に、親友「Tさん」が同行すると言い出した。
まあ一緒にカジノを楽しもうってことなんだが、
年も年で・・・結構わがままで・・・手のかかる御仁だった。


ラスベガスで泊るのは定宿「モンテカルロ」
古いホテルだ。いくらでも他に「良いホテル」はあるんだが、
雰囲気が気に入って毎年そこに泊る。
ビュッフェとステーキ屋は特にお気に入りだった。



CESの視察もソコソコにしてカジノに入り浸る。


そこで「Tさん」から「漬物屋の若旦那」失踪の一部始終を聞いた。


若旦那はラスベガスのカジノでしこたまヤラれた。
上得意(VIP)だったから「信用貸し」で100万ドルほど借りて突っ込んだらしい。



帰国してその返済を「バックレてた」若旦那のもとに・・・・・
取り立てが来た。


来た連中・・・・外人なのは間違いないらしいが、
詳しくはわかってない・・・・


若旦那は・・・・まず2か月ほど行方不明になった。


Tさんいわく、
1億円なんて「あの漬物屋」にとって痛くもかゆくもない額だ。
ただ先代のおかみさん(実の母)が激怒して「払わない」と言ったらしい。



取り立て屋は「若旦那を誘拐」しちゃった。


結局・・・「おかみさん」が折れて工面したらしい。


利子やら経費やら・・・いろいろ加算して「3億」近く持ってったらしい。

漬物屋が持ってた駅前の1等地の駐車場の名前が
ある日書き換えられたらしい。


若旦那は無事・・・生きて帰ってきた。


しばらく・・・しおらしくしていた・・・らしいが・・・
若旦那の消息がプッツリ途絶えた。


漬物屋のおかみさん(実母)は・・・・若旦那を必死で探す風でもなく、
若旦那の「妹の旦那」が新社長となり、漬物屋は普通に営業してるから・・・


勘当されてどこかへ消えたのか・・・・


もしかすると・・・
漬物屋の樽の中に漬かってるんじゃないか・・・
その説がかなり有力と・・・・Tさんが言ってました。


ギャンブルは自分の金の範囲でやんなさい。


借金取りからは逃げられないのよね・・・


うん、オッサンも・・・・それは良く知ってるよ。



そんな話聞いたからだわ・・・・あのとき負けたのは。