ペカチカほいほいのブログ

ギャンブル歴50年、浮き沈み人生で出会った楽しい出来事の数々。

クズ屋の事件簿③ 「ヤマザキレイコ事件」

もはやノンフィクション小説と化したブログです。
※お時間ある方お読みいただけると幸いです。



日本の大手電機メーカーであった本当の話。
ここんちについてはヒントも言えません。知らない人は・・まずいません。


その会社はオッサンの会社のサキ(取引先)と付き合わせてました。


変な書き方ですよね? 「付きき合わせてた」なんてね・・・


その大手メーカーさんと「ウチ」は取引口座が無かったんです。
だから手っ取り早く「ビジネス開始」するために
取引口座を持ってる会社、中でも「無難」な会社を選んで、
そのメーカーに「リサイクル提案書」を出させたんです。
もちろん「リサイクル提案書」はウチで作りました。



内容は・・・・
その会社が近々販売開始する「新製品」の製造工程で使われる、
ある「レアメタル」の残りカスをスクラップとして販売してほしい。
そのレアメタルを「こういう感じ」でリサイクルします。
そんな内容の提案書です。



その提案書を読んだ大手メーカーさんは・・・「たまげました」とさ。
彼らにとってその「残りかす」のレアメタルは
廃棄物dえした。処理に金のかかるゴミなわけです。
それを「有価で売ってくれ」だから・・・
そりゃあもう大喜び。


「苦しゅうない、チコウ寄れ、詳しい話を聞こう」とお呼びがあり、
オッサンとサキの会社で訪問することとなりました。


オッサンの会社は小さい会社ですが・・・・
実績も、既存取引先も「結構な大手企業」がいて、
技術スタッフも一流企業から流れてきた連中で固めてました。



そのメーカーの環境担当課長さんも技術屋さんで、
ウチの技術担当の説明に納得・安心したようです。


大手メーカーの環境担当部長さまも
経費大削減を大変お喜びになって


あっという間に「契約」となりました。



その新製品を大量に作るため「ドデカイ」工場が建設中でした。
工場が出来上がるまで・・・既存工場フル稼働で生産中です。


既存工場へ「サキ」が毎日回収に行って、ウチに送ってきます。
事業は軌道に乗りました。


もうすぐ新鋭工場の稼働も始まります。生産能力は既存工場の5倍です。
我々はウハウハで「新工場完成」を待っていました。


ある日1通のお手紙が「サキ」に届きます。


「〇〇年度環境指針報告会開催のお知らせ」  
日時 〇月〇日〇〇時~
場所 〇〇工場、〇〇ホール


なんでも・・その大手メーカーと取引のある環境企業(クズ屋とゴミ屋)が
全社出席して、その年度の環境方針を聞く会らしい。


オッサンは直接取引企業ではないので行けませんが、
「サキ」だけ行かせるのは「超心配」です。
ウチの技術担当部長を同行させました。


呉越同舟の中、会議は進み、個別案件打合せとなりました。


「〇〇工場発生レアメタル」について・・で始まった。


その頃は・・・・
ウチが最初に目を付けて独占してた「レアメタルスクラップ」にも
「出遅れたレアメタル屋」から提案書・見積書が入ってました。
連中は何とか参入したいと「ウチの2倍」の価格見積を出したりします。
年度更新時は新規参入の大チャンスなんです。


ライバルがあの手、この手で参入機会をうかがってました。



メーカーも量が増えると1社だけに払い下げるのを嫌います。
価格競争させるためでもあり、
業者の事故、倒産、脱税などで
継続取引できないケースに備えるため・・・
2社購買(払い下げ)をします。


そして夕方・・・
レアメタルスクラップの「購入希望企業」は「購入見積」と
処理方法の「詳細計画」を提出するようお達しがあり、
会議は終わった。



帰りの新幹線、ウチの技術部長の前の席に、今日会議に出席してた
「出遅れライバル企業」のメンバーが「ある資料」を読んでいた。



その資料は1年以上前にウチの「技術部長」が作成して提出した
「レアメタルスクラップ・リサイクル提案書」だった。



メーカーの誰かが・・・・
ウチの「手の内」をライバル企業に開示してくれたわけだ。



「見積書・リサイクル計画書」の提出期限が過ぎ、
そのコンペの結果が開示された。


ウチら・・・「落選」  どっひゃあ~~だった。


A社に65%  B社に35%配分らしい。


選ばれたのは・・・大手系子会社Aと、名前は通ってる中堅B社


敗因は・・・「サキ」が担当者のお守をしなかったからだわ。
接待できたのはウチの工場見学の時だけだった。
「サキ」には「ちゃんとお守りしてね」と「ジャンジャン接待しろと」
何度も言ったんだが・・・・


あそこんちは初代社長の「叩き上げオヤジさん」から
大学で環境を学んだと言う「アホせがれ」に代替わりしてから・・・
「きれいな仕事」だけするのが・・・ポリシーだとさ。



オッサンは慌てない、なぜなら・・・・
このブツの処理はA社・B社の連中には無理だ。
絶対泣きが入る。



大手A社がマトモに処理するなら「炉」が持たない。
処理温度が上がりすぎる。 


B社の本職はアルミの溶解だ、炉から飛散した粉でアルミまで汚染される。


連中がウチのような「裏技」を持ってるとは思えない。


いずれ根を上げるだろう。



連中のシナリオは・・・・
最初の数か月を「見積もった価格」で進めて
「炉」の損傷が強いから「値下げ交渉」する腹積もりと読んだ。


しょうが無い・・・チャンスはすぐくるだろう・・・待つしかない。



さて・・・誰が「ウチの提案書」を連中に見せて、
ウチとまったく同じプラントを作らせたのか・・・


大問題だぜ。


心当たりは大有りだった。
メーカーの環境部長さん・・・・アイツが犯人。


なぜなら・・・・ウチと距離を置きたがる。


こんな砕けた会社のウチと距離置くなんて・・・信じられないわ。





新規組が「根を上げる」のを待ってたオッサンの会社に・・・


またも国税局が反面調査とヌかしてやって来た。


ちょっと遠い地方からお越しだった。



「ヤマザキレイコ」さんてご存知ですか?



「有ったことはないけど知ってる」



「毎月振込してますよね、個人の方ですが、どういう関係ですか?」



「よくわかんない、仕入先から頼まれて仕入名目で振り込んでる」



「よくわかんないって・・・どういうことですか?」



「仕入先に聞いてくれ、とにかく頼まれたから振り込んでる」



「あの~全然意味がわかんないですが・・・」



「本来仕入れ先に払う金額から、差し引いてヤマザキに振り込んでる」



「それって仕入れに仕分けしてるんですか?」



「だって仕入れ金額の一部だもん」



「本来なら所得税引いて振り込むべきじゃないですか?」



「何で? 仕入れ先に今月の仕入金額は100万って言うとね」
「じゃあ、そこから30万はヤマザキに振り込んでって言うから」
「ウチは仕入れ金額を分けて振り込んだだけだから」



「ヤマザキレイコさんから請求書来てるんですか?」



「んなもん無い! 仕入れ先の社長の指示だけ」



「それ・・・・まずいと思いませんか?」



「スクラップ屋にとって一番大切なのは仕入先なの」
「仕入先がここ振り込めって言うんだから、従うしかないの」
「ウチも会社の銀行口座から振り込んでるでしょ。問題ないはずよ」
「請求書も領収書もないけど振り込んだのは事実だから」
「スクラップの買い先なんて弱い立場なのよ、税務署さんも理解して頂戴ね」



「社長さん、ヤマザキの口座に総額7000万以上振込してるんですよ」



「指示に従っただけ」



国税はウチから取る気満々です。
給与か、贈与か、コンサル料か、いずれにしても・・・・
所得税はウチは払わなきゃいけないと一点張り。


しかしオッサンは断固認めません。
認めるどころかウチが被害者と思ってます。


遠いとこの国税局は・・・
遠路はるばる10回近く来ました。
ウチの税理士も「社長少し認めたら」と言います。



オッサンは「査察官」に言いました。
「じゃあ振り込め詐欺の被害者からも徴収しな」
「被害者も騙されて振り込んだでしょう」
「オッサンも同じ立場だから」
「アンタらが、それしたら払ってやる」
「だいたい・・そのヤマザキから取れば済む話じゃん」
「所得申告させればいいじゃん」
「なんでウチから取ろうとするんだよ」


事態は一向に解決しません。国税はシツコク来ます。




この事件でウチが仕入れてた会社は「西日本のスクラップ屋」でした。


この仕入先からウチが買ってる商品が「どこから出た」ものか知りません。


まあ・・見当はつくけど・・・・知らないフリして商売してました。


ヤマザキレイコは仕入れ先の社長の「小指さん」と思ってました。




いい加減解決しないのでオッサンは激怒して問い詰めました。


「テメエの女だろ、テメエがケツ拭けよ」



仕入れ先社長が言った
「社長・・・じつはヤマザキレイコはね・・・」
「〇〇〇の環境部長〇〇の女なんだわ」



「なっに~~い」


しかも韓国クラブのお姉さんで・・口座名義は他人のものだって。


振り込まれた金はソウルに「マンション」買っちゃって残高0円。


そういうことか・・・国税はヤマザキレイコが金ないことを知ってんだ。
だからウチにしつこく来るわけね。


これだけの人と時間と経費を使って
1円も取れませんでしたじゃメンツが潰れる。
何が何でもウチから絶対取ろうとしてます。
国税のノルマは「出動した人数×300万」  推測だけどね・・・



仕入れ先社長に聞きます。
「ヤマザキレイコが〇〇の女って国税局も知ってんのか?」



「それは言ってない、俺からは絶対言えない」



「俺が言ってやる」



「それはダメだ、俺んとこ食っていけなくなる」



「冗談じゃねえよ、ウチに4000万払えって言ってんだぞ」
「〇〇部長はこの件で国税入ってることは知ってんのか?」



「それは連絡してある」



「じゃあ一度会わせろ」


〇〇部長と会いました。


①外されたレアメタル商売を復活させること
②別の工場から発生する非鉄スクラップをウチに出すこと
③直接取引口座を開設すること
④レアメタルの利益で2年かけて相殺するから2年間はウチの価格に文句言わないこと


「OK」


某地域の国税局が大喜びです。ガッチリ4000万は徴収できました。


良かったですね。


ここ4年で3回目の修正申告だわ。もう慣れた。


ヤマザキレイコさんはソウルの高級マンションで誰と住んでるかな