ペカチカほいほいのブログ

ギャンブル歴50年、浮き沈み人生で出会った楽しい出来事の数々。

「チョンボ転じて福を為す」の巻 前編

起業して、すぐ事業を軌道に乗せた「若きベンチャー社長」の回想録


とにかく・・・・あの頃は運が良すぎた。
だから遊びのギャンブルは負けたんだな。そう思い込むことにしよう。



当時も今も、生きること自体「運」「ギャンブル」と思っております。
家でジッとしてるのに、飛行機が落ちてきて亡くなった方もいれば
大事故・大災害に巻き込まれても生き残る方がいる。
何が正解で、何が間違いか・・・誰にもわかりません。




起業してすぐのころ・・・
大阪の取引先と一緒に、宮城・岩手・秋田へ出張行くことなりました。
東北のスクラップ屋を5件回る予定です。
東京ー盛岡の乗車券と仙台までの特急券はオッサンが購入しときました。



これで安心ですね、慌てなくて済みます。


前日、大阪の取引先と東京で軽く飲んで、オッサンは埼玉へ帰ります。
大阪の取引先は日本橋のホテルに泊まるので
明日、新幹線の指定席でお会いしましょう・・・と解散です。



うっかり・・・別れる際に
取引先にオッサンの切符も渡しちゃったんですね。
でも大丈夫・・・
入場券でホームに入って、指定席で受け取れば問題ありません。



東京発7:40の東北新幹線「なんちゃら〇〇号」です。
「東京7時40分だから大宮発は8時チョイか、8時にホームにいれば大丈夫ね」



ところが・・・・・今もあるか知りませんが・・・・
当時、大宮をすっと飛ばして、仙台直行便があったんです。
大宮に停止しないんですよ。そんなの知らんかった。



乗る予定の新幹線は大宮駅をパスして行っちまった。
しょうが無いから、次の新幹線で追いかけます。
ラッキーなことに自由席が空いていました。ヤレヤレです。



大宮を発車して・・・検札がやって来た。
ちょっとスッタモンダ始まった。
「テメエ・・・ホントは無賃乗車だろ?」
そんな疑いのマナコ100%の車掌に
「かくかく~しかじか、こんなわけで俺の切符は仙台へ行ってる」
よく覚えてないけど・・・すごい追及された記憶がある。
なんとか・・追及乗り越えて・・・ヤレヤレと・・・



超かっこ悪いし、ジロジロ見られてるし、気まずいので・・・
オッサンは隣の方へ話しかけた。



「いやあ・・・大宮飛ばす新幹線があるんですね、知らなくて参りましたわ」

「朝だけあるんですよ」
「私もあれに乗ろうと思ってたんですが遅れてしまったんです」
「あれは仙台まで1時間チョイで便利です」

「そうでしたか、いやあ失敗しました。どちらまで行かれるんですか?」

「仙台です」

「お仕事で?」

「いえ、帰るんです。昨日娘の結婚式が東京で有ったもんで・・・」


「あ~それはおめでとうございます」「お相手が東京の方で?」


「静岡の人です。2人とも勤め先が東京なので」


なんて・・・たわいもない話をしておりました。




お話好きな方でラッキーでした。無賃乗車じゃないとわかってくれたみたいです。


彼が聞いてきます。
「どのようなお仕事をされてるんですか?」

「スクラップ屋です」

「何を扱ってるんですか?」

「非鉄全般ですが、得意なのはレアメタル・レアアースです」

「コバルトやれますか?、実は困ってます。」


・・・・なんじゃこの人?・・・・・



「コバルトは大得意ですが・・・もしかして同業者ですか?」


向こうが名刺を出した
「〇〇〇〇株式会社 品質管理担当部長 鈴木一郎(仮名)」


どっひゃあ~~  世界的に超有名企業の取締役さんだわい。



オッサンはすぐピンときた。リチウムイオン電池のクズだわ。
リチウムイオン電池はコバルトが大量に使われる。
しかし処理するには設備・技術・ハンドリングのハードルが高い。



「リチウム電池ですね?」
今度は向こうがびっくり顔・・・なんでわかる? って感じ。



「ロットアウトが結構ありましてね」
「リサイクルできるところを探してます」
「一度寄ってくれませんか」

「明日行きます」



実は・・・・・
オッサンが世界で一番最初に「LIB」のリサイクルを始めたんです。


ん?  世界で最初に?
 
そう、当時・・・日本しか作れなかった。日本最初は世界最初なの。


これは大チャンス、まさかこんなところで、こんな話が湧くなんて。
って言うか・・・
このメーカーも「大チャンスを拾った」といえる。
「リチウムイオン電池リサイクル」の世界で
世界No1のオッサンと新幹線で出会うんだから・・・・



リチウムイオン電池が開発され、
2社がほぼ同じ時期に製造開始した。
1社はすでに全量オッサンが握ってた。
もう1社がココの会社だった。



しかもオッサンをパスして行った新幹線に乗ってる取引先は
オッサンが提案したリチウムイオン電池の処理プラントを製造中だった。
この会社・・・・1部上場の大手金属企業。



この偶然を整理しますとね・・・・
①たまたま・・その日に東北出張を計画した。
②一緒に金属企業の営業マン(昔からの親友)が同行した
③新幹線に乗り遅れ(乗り逃がし)た
④次の新幹線に乗った
⑤その新幹線の3号車の自由席に行った。
⑥3号車の前ほどに空席があって座った
⑦隣の方が・・・この方だった
⑧隣に話しかけた
⑨オモロイ話になった


何て例えれば・・・ピンときますかね
4択です。
①災い転じて福と(を?)なす
②火中の栗を拾う
③覆水盆に返らず
④過ぎたるは猶及ばざるが如し



実は・・・・最終的に①②③④が全部当てはまるんですが・・・
まずは成約目指して突き進むオッサンでした。


以下次号へ