ペカチカほいほいのブログ

ギャンブル歴50年、浮き沈み人生で出会った楽しい出来事の数々。

国税に売られた男の話

すっごい風雨です、チャリ乗ったら死ぬかも知らん。
台風が来るぞ~
ジャグラーなんか行ってる場合ではない・・・引きこもることにしよう。


まあオッサンは南国生まれで「風台風」は屁でもないんだが、
豪雨が怖いんです。 南の島も激しい雨降りますが川の氾濫は経験ないんです。


さてオッサンは国税局の査察を4回受けました。


パチンコ屋、病院(特に美容整形と動物病院)、スクラップ屋・・・
この3つは国税局の「財布」ですから・・・
困ったときの3業種ですから。


数年前・・・・神奈川県の台湾人が経営する「スクラップ屋(Y社)」に
国税局が強制査察をかけました。 マカオVIPのS社長の会社です。


みなさんも「強制査察システム」はよくご存知と思いますが、
簡単に説明すると・・・
あさイチ50人くらいの調査官が「ドカドカっと」入ってきて
「動かないでください」・・・から始まるのが強制査察です。
社長宅、専務宅、妾宅なども一斉に行きます。
連中はね・・・よく調べてるんですよ、裏取り捜査を3か月以上してますから。


想像ですが・・・
役所の人事異動で「新スタッフ」出揃うのが4月半ばでしょ、
そこからターゲット会議などして「狙い定める」のが4月末頃かな?


それから3か月ほど内偵調査して・・・・7月末頃に強制調査が入る・・・・


だいたい・・・そんな感じかと思います。
だって毎年8月なるとウチに連中が嬉しそうに反面調査に来るんだから・・・



今回狙われたスクラップ屋さんの
「A勘定(表の取引)」最大の取引先は「X社」でした。
「B勘定(裏の商売)」最大の取引先は「ウチ」でした。


ウチは「A勘定リストにも乗っていて、第4位くらいの取引先でした」


当然・・・反面調査で「ウチ」にも国税査察官が来ます。


もうね・・・その時点でネタは割れてる・・・
間違いなくソコソコ持ってかれます。



問題はどこまでバレてるか・・・・


アレだけなのか? それともコレも、ソレも、アッチも、コッチもバレてるのか


ここで探り合いが始まるわけです。
「何でしょう?」
「神奈川のY社さんとの取引状況について資料を出してください」


※経理スタッフに持ってこさせ、会議室を貸し切りにしてあげました。
朝9時に来て12時なると「食事行きますので・・・」
お茶も断りやがんのよ、また午後1時から午後3時まで調べる調べる。


とりあえず過去3年分の帳簿を調べる、パラパラめくって付箋張っていく。
すっごいスピードで「怪しいポイント」を見つけていきます。


午後3時からオッサンの聞き取り調査が始まりました。


まあ今回は・・・
ウチの調査じゃなくて「Y社」の調査だから・・・社長室のゴミは漁りません
それとオッサンは切り札を持っていたので・・・余裕があります。
切り札ってなんですか?   「それは後のお楽しみ」



こんなやり取りが始まりました。※印はオッサンの心の叫びです。


「社長さん、〇〇年の〇月〇日にY社のS社長と福岡で会ってますよね?」


「はあ? 2年前の〇月ですか? いきなり言われても思い出せないわ」


「会ってるはずなんです。そのとき〇〇〇〇の商品渡してますよね」


「記憶にない、会ったか会ってないかも含めて調べんと解からんわい」


「そうですか、間違いなく会ってるんですよ、間違いなくね」


※昨日の晩飯だって何喰ったか覚えてネエんだから、そんな昔のことわかるか!


こう聞き返します。
「Y社のS社長が私と会ったと、そして品物貰ったと言ってるんですか」


「それは答えられない」


※何言っちゃってるんだよ! アンタが会ってるって断言してんのによお!


「いやあS社長とは毎月会ってるから、会ったかも知らんし、ないかも知らん」
そう答えました。
※それが本音。毎月会ってるから。しかも何で福岡にこだわるんだよ!


「社長さんね、もう今日は時間がないから帰ります」
「明日、彼と彼よこしますから、調べといてもらえますか」



「その福岡で会ったことの、何が問題なんですか?」


「S社長さん、日本語よくわからないし、説明の辻褄合わない話が多いんですよ」
「お手数おかけしますが思い出せるよう手帳とかメモとか探してくださいよ」


※んなのネエから。オッサンはメモ取らないと決めたから!


査察官5名様お帰りになりました。


オッサン早速S社長に電話した・・・※ウチの経理社員の携帯借りて。


繋がらない、電源切れてる。


Y社専務のC・・・・・ダメ、電源切れてる。


Y社運転手のPに電話した・・・・・繋がった。


オッサンが訊く
「いまどうなってんの?」


「パニックです。仕事なんないです。朝から晩まで毎日調査続いてます」


「社長携帯繋がらないんだけど」


「没収されてます」  ※あ~やっぱし・・・


「専務も同じか?」


「はい、専務と経理のおばちゃんと、受付のKさんも携帯没収です」


こりゃあ・・・エライ騒ぎだわ。


だいたいS社は派手にやりすぎよ。
税金は納めず、土地は買いまくる、新車は買いまくる、設備は入れる・・・・


翌日・・・・・
昨日来た若手国税査察官2人と所轄の県税調査官も連れてきやがった。
※これって・・・素直にならんと今年県税寄こすからなあ・・ってか?


オッサンが切り出す。
「あのさあ、ハッキリ言ってよ、何が知りたいのよ」
「それが解らんと記憶も出てこねえんだよ」


査察官
「福岡で液晶パネル2万枚、Y社に売りましたよね」


※あ~~~その話ね・・・そういえば売った記憶あるわ。
※まず・・・この話は認めることにしよう、そのあと何が出てくるかだ。


オッサン
「液晶はいろんなトコに売ってる、S社にも売ってる」
「あんたらの言う日に売ったかどうかは思い出せないけど、多分売ったんだろ」


査察官
「その時、現金で受け取りましたよね。」


オッサン
「彼とはいつも現金決済だから受け取ってるはずだよ」
※売上2400万に対して、半分領収書アリ、半分無しで受け取ってるのね。


査察官
「幾らの売り上げだったんですか?」


オッサン
出納長みながら「1200万」ですね。


査察官
「S社は現金で2400万渡したって言ってますよ」


※あ~~~そういうこと・・・あんにゃろ、バラシちゃってる。


しょうがない・・・液晶の件は認めにゃマズイ。
俺が認めりゃS社も少しは楽になるだろ。大切な取引先で親友だからしゃあない。


「あ~そう言ってましたか・・・そうかもしれないですね」


オッサン・・・意気揚々と話しだす。
査察官さん、ちょっと聞いてくれるかしら
ウチさ、おととし関東甲信越国税局の査察受けて、
使途不明金やら何やらと2億円の利益隠しを指摘されたんだわ。


それで1億2000の追徴って言われて(結局6000万)払ったんだわ。
そん時に国税局に〇年度の決算書までは調査済で「奇麗」になったから
「蒸し返さない」と書いてもらったの。
ほらこれがあの時の査察官の名詞でこれがサインね。


だから帳簿には1200万しか計上してないけど、Bで貰った1200万円分の収入も
この不明金に含まれてるの。


「で・・Y社どれくらい不明金出てるの?  いいじゃん教えてよ」


「11億???」  へ~~そんな有るんだ!!



そしたら1200万円分の領収書をS社あてに再発行するよ。
それで少し辻褄合うんじゃねえ?


液晶の件は・・・・これで決着つきました。めでたし、めでたし・・・


ではなくて・・・・


S社長・・・・オッサンの会社を完全に生贄で差し出しやがった。
他にも出るわ出るわ・・・・
あれも・これもと波状攻撃受けて「県税事務所」が嬉しそうにメモしていったわい。



そのあと・・・しばらくして・・・もっと大きな疑獄事件に巻き込まれるとは


予想もしていない・・・考えの浅いオッサンでした。


参考
S社長とC専務は毎日朝9時から~夜8時まで
都内の国税事務所で聴取されてたそうです。
それが60日続いたそうです。


当時GPS付き携帯が発売されたばかりでした。オッサンもS社長も持ってました。
連中GPSでオッサンとS社長の居場所特定した。だいぶ前の話だけど
IT機器って凄いね。



以下次号へ