「クズ屋ご一行」ラスベガスでドタバタ劇場

2018/10/03 02:20

以前ご登場いただいた横浜のスクラップ屋さん（仮称A社）のお話です。

そのスクラップ屋さんとは、その会社の「専属占い師」が
「オッサンと縁を切れ！」のお告げ一発でお別れとなったんですが、
これは、そのむかし蜜月関係にあった時代のお話です。

A社の常務さん（電機会社OBが再就職）が打ち合わせで来社されました。
打ち合わせも終わって帰る間際に、常務さんが言うんですね。
「社長、今度ラスベガス行くときは我々も連れてって」って・・・
我々とは「社長・専務・常務」の3名です・・・男は３名です。

こっちは気軽に言います。
「ええぜひ一緒に行きましょう、さっそく計画立てちゃいましょうよ」

オッサンが幹事となり、ラスベガスツアーを組むこととなりました。
その話を親友で「お金持ちのTさん」に振ると・・・・・
案の定・・・・「俺も一緒に行く」と期待通りの回答です。

Tさんのことは「A社さん」もご存じなので歓迎と言うでしょう。
オッサンも一人で３人相手するより「Tさん」がいると安心です。
何かと・・・特にカネの面で心強い限りです。

さて皆さんのスケジュール調整をしてみると１ケ月後が良い感じです。
出発は１１月２日で皆さんOKとなりました。

善は急げ、
オッサンは航空券とホテルを予約しようと常務さんに連絡しました。
オ
「もしもしオッサンです。そちら３名のパスポートのコピーFAXください」
常務さん
「３名でいいんですか？」
オ
「うん？　はいっ？」
常務さん
「こっちは６名ですよ」

なんだよ～・・弁当持ちかよ！　　めんどくせえなあ・・・・
最初から言えよ・・・

オ
「あ～そうですか６名ですね、はいはい問題ありませんよ」
「では６名様のパスポートコピーください」

常務さん
「社長とTさんは１人ですか？」

オ
「私は１人ですよ、Tさんはどうだろ？　これから聞きます」

常務さん
「社長（オッサン）もTさんも，ぜひ彼女同伴してくださいよ」
「こっちが気遣うじゃないですか」

オ
「ああそうですね・・・何とかしますわ・・・」

ガチャン！

返すカタナでTさんへ電話します。
「Tさ～ん、ラスベガスに彼女も連れてけば？」
「A社さん全員弁当持ちだってさ・・」

Tさん
「あっそうなんだ～、じゃあ俺も連れてくかな・・・」

勝手にどうぞ・・・・

そんなこんなでオッサンの手元に８枚のパスポートコピーが
届きました。

当時JALに「ロス経由ベガス」行きがありました。
一度ロスで降ろされますが、トランジットではありません。
同じ飛行機に乗り直して飛んでくれます。

まんずビジネスクラスで９席確保しました。
それから「ホテル・モンテカルロ」の日本人担当に電話して
お部屋を５つお願いと・・・・・
さらにリムジン２台でピックアップも頼んどきました。

当時のA社は価値の高い電子部品をかなりの量出してくれる「超上客」でした。
その部品はウチからTさんに渡り陳Gなどへ供給されます。
A社はTさんにとっても「最優良顧客」なんです。

Tさんが「彼らはファーストクラスしろ、金は全部俺が出すから」
そう言うんですが、その便はファーストの設定が無いんですよ。
Tさんに俺のせいじゃなく、JALが悪いと言って渋々了解させました。
Tさんは短気でせっかち、カネも出すがクチも出すタイプです。
だんだん幹事に嫌気がさしてきましたよ。

さて出発の１週間ほど前、A社から部品があるから見に来いとお誘いです。
さらに帰りは「横浜でメシ食いましょう」となって、
ツアーの説明もあるので中華街へと繰り出しました。

中華街の高級店の個室をご用意です。
ウチから結構なキャッシュが流れてるのでA社長はリッチです。

そこにA者様３名と、このたびのツアーに参加される奇麗な方３名も
お越しになって「乾杯」と前祝の始まり・始まり。

A社長が
「社長は彼女連れてかないの？　Tさんはどうするの？」

オ
「私は一人ですよ、Tさんは連れて行きます」

A社長
「なぬ？　それは聞き捨てならん、社長彼女いないの？」

オ　
「最近、別れたばっかりでして、」
「大丈夫ですよ、現地で出前取りますから・・・」
※こう言っとけば納得するだろう。

A社長さん・・・・
「いやいや、それはダメだ、俺たちが気まずいから許さない」

ほんで・・・自分の彼女に言います。
「社長といっしょに行ける可愛い彼女をすぐ探せ、今日呼べ」
「この社長は金持ってるし、いい人間だぞ」

A社長の彼女は携帯持って消えました。
多分、今お勤めのお店か、辞めた知り合いか・・・・
お手頃なのは見繕ってくれるんでしょう・・・・

はあ～～～・・・オレは鉄火場にオンナ連れて行かない主義なのよ、

なんて言ってもねえ・・・みんな修学旅行気分で盛り上がってるし、
俺だけ手ぶらだと「逆に悪い気もする」・・・・
まあ・・・どうでもいいや。

A社長の彼女はしばらくして戻ってきました。
オッサンに「凄い可愛くて良い子」がいるから紹介するそうです。
次の伊勢佐木町のクラブに来るそうです。

「そうですか。どうもありがとうございます」

全員でクラブに流れて、「凄い可愛くて良い子」も来ました。
オッサンも大人です。失礼の無いように、楽しそうに、口説いてる風に
時間を過ごし、
「それでは宴もたけなわですが」
埼玉は遠いからもう帰らせてと口走ると・・・・・
「少し可愛くて良い子」が「ダメって」・・・・・

結局・・・・「お持ち帰り」する羽目になったんですね。
※・・・金握らせて返したので何もありませんけど・・・・

結局その「普通の、良い子」もラスベガスに連れてく羽目になった。
ビジネスクラス！もうひとつオカワリ！

ご出発当日・・・・・・
成田空港のビジネスラウンジに
誰がどこから見ても

「成金オヤジ」と「飲み屋のねえちゃん」カップルが

５組いるんですね。

まあ他にもチラホラいましたが・・・・・

特に当時６０代のTさんは上下「黒皮のアルマーニ」をまとい、
長い髪をポニーテールにして異彩を放ち倒してるし
A社の３０後半の元暴走族だという専務はアロハにパンチパーマ
元甲子園球児の６０代常務さんは「ドサ回りの演歌歌手」かお前は！

A社長４０歳は秋らしいモノトーンのジャケットでセンス良し。

オッサンはGパンとポロシャツでごわした。

ビジネスクラスなのにシートのリクライニングが
ほんのちょっとしかできないと
みな様に散々「ブータラレ」て、ロス到着。

ロスで専務行方不明事件など引き起こしながら、
めげずにベガスへと向かいます。

ベガスに無事ランディング！
さて到着のイミグレで何を話せばいいの？
なんてよくある質問もあって
「斎藤寝具」と・・・古いダジャレかますオッサンですが・・・

イミグレ間際で・・・・・
「キャッシュの申告」をせにゃイカンとA社長が言いだす。
３００万円位なら「大丈夫」ですよ・・・というオッサン

「イヤ！問題あるとまずいから・・・」
A社さまご一行で５００万持ってきたそうです。

じゃあ・・・みんなの分て言えばOKだよで・・・納得。
Tさんなんか１K万円ショルダーに入れてるけど
どこでもトボけて通りますよ。

キャア～凄～い！　これって映画でよく見るわ～！
お姉さま方は大はしゃぎでリムジン乗ります。

古くてボロイ「モンテカルロ」到着です。

ここで常務さんからクレームです。
「このホテル古いね」

もういいじゃん！　ここで！
他のホテルだと、めんどくさいんだヨ。
ここなら全室部屋代タダで済むし、
チェックインもVIPだから早いの！
新しいホテルに行ったらチェックインだけで１時間待たされるぜ、
しかも部屋代２００ドルは取られる。

言いたいことは山ほどあるも、常務さんには理解できないでしょうから
「すいません。ここしか知らないんです」
可哀そうなオッサンは謝ってます。

部屋割も決まりました。「良い子」とオッサンが同じ部屋です。

それでは皆様、今まだ朝11時ですから、午後２時にランチにしましょう。
2時にフロント前集合です。

結局・・・皆さんが全員集合したのは午後3時でしたが、
当時はローミングサービスが少なかった！
Auが一番進んでました。ドコモは使えなかった。
ほとんどの方は空港で海外用携帯をレンタルする時代でした。
A社さんは1台レンタル持ってましたが、
電話当番の「少し頭のユルい専務」が部屋に置きっぱだって・・・

ツアーコンダクターのオッサンは皆様を引き連れ、
どでかいホテルのいろんな場所にご案内して、
ドル円の両替方法も確認して、ホテルの日本料理店へ・・・・

常務さんのリクエストで・・・：日本料理店へ入りました。

時差ボケも手伝って酔いの回りは高速です。
日本料理店での大宴会が3時間も続きます。
さっさとカジノに行きたいオッサンは
今日はお疲れでしょう、時差ボケもあるでしょうと・・・
後は好きにしてくれと言って「中締め」しました。
お会計はオッサンの部屋付けです。

取り合えず部屋に戻って、「良い子」さんは好きにしてと言って
Tさんとカジノです。

その後皆さんもあのデカいカジノでオッサンを探し当てて
みんなで楽しく遊んだとさ・・・・

ラスベガス初日の夜は更けていきました。

以下次号